こんにちは。
吉田です。
バブです。
今回はボードゲーム作成についてその⑧です!
前回の記事はこちら。
今までの連載はこちらでまとめています。
石神氏降臨
本日は、食品ロスに関するゲームを石神さんに見てもらいました。
石神さんについてはこちらの記事をご参照ください。
一言でご紹介すると、ボードゲーム作成のプロフェッショナルです。
我々は集まる度に何度もプレイし、どうやったらよくなるのか、を繰り返し議論してきましたし、
友人にテストプレイに協力してもらったりと、コツコツ積み上げてきたものがずれてないか確認してもらいたかったのです。
今回はみんなで手塩にかけてつくってきたゲームがどのような評価を受けるか、模擬試験のような気持ちで臨みました。
いざゲームを見てもらうことに
コンポーネントを見て、デザイン性が良い!おしゃれですね。
と早速上々の滑り出し。
実際にプレイをするか、脇で見てるか選んでもらったのですが、
プレイしちゃうと自分のことに夢中になっちゃうからと、脇で我々のプレイを見てもらうことに。
ドキドキの状態でたかさんがルールの説明しながらのゲームスタートとなりました。
ゲームを見るときの石神さんはプロの目をしていて、ノートにメモをとりながら我々のプレイを見ていきます。
合間でルールの確認を繰り返しながら、徐々にプレイ進んでいくと、
「伝えたいことが何なのかぼやけてきちゃってるかもしれないですね。」
とお言葉をいただきました。
元々「食品ロス」という部分に関してメッセージを投げる作品にするつもりでボードゲームを作っているはずなのに、廃棄になる食材の扱いがぼやけている。とのこと。
ゲームシステムを知らない方にお伝えするのが少し難しいのですが、
この食品ロスゲームの設定として、
近未来の日本。食品ロスが社会問題になり、食品廃棄を多く出す店舗は評価が下がってしまう。
という世界観があります。
プレイヤーはレストランの経営をしながら、お店のシステムを改良し、廃棄になってしまう食材をいかに減らしていくか、が問われます。
その中で、廃棄になる食材の扱いが曖昧になる部分があり、そこをご指摘いただいたのでした。
廃棄になる予定の食材を再利用できる、次のターンに持ち越せる等の部分です。
伝えたいメッセージは何か
石神さんはゲーム作りにはよくアンパンマンを例えに出す。
ということですが、おっしゃられていたことは、
「例えばアンパンマンは虚構がたくさんあります。
顔がアンパンで取替が効く、
カバが人語をしゃべる、
とか、普通に考えたらありえない部分が沢山ある。
ただ、そういう部分はどうでもいい、虚構なんで良い。それもわかった上で視聴者は見ています。
ただ、伝えたいメッセージはブレずにロジカルに伝える必要がある。
みんなで協力する、勇気を持つ、
とかそういう伝えたい部分は虚構ではなく、ロジカルに表現しているんです。
伝えたいメッセージの部分も虚構が交じると、作品として何を言いたいものなのかがぼやけてしまう。」
とのことでした。
それに対して、今回の我々のゲームは食品ロス問題を伝えたいはずなのに、
廃棄される食材に関して、扱いが曖昧になる、説明がつけられない部分がある。
これは致命的というお話です。
手段と目的が入れ替わってしまう
石神さんはこうも続けられました。
「Aを伝える為に、Bという表現をする。
これはよくある話です。
今回であれば、食品ロスを伝える為にボードゲームを用いているわけですが、
ボードゲームとしての面白さを追求するあまり、食品ロスで伝えたい根幹の廃棄を出さない。
という部分がぶれてしまっています。
メッセージがなく、遊びのエンタメゲームとしてならそれでもいいかもしれないけど、シリアスゲーム(エンターテインメント性のみを目的とせず、教育的な要素を持った社会問題の解決を主目的とするゲーム)として、それでは困ってしまう。」
とのことでした。
なるほど、終わった後の感想として、楽しかった、だけではもったいない。
食品ロス問題に関心を持ってもらう、少なくともそういう問題があると認識してもらう。
そのためには食品廃棄という根っこの部分をぶらさずに表現する必要があるのだと、教えてもらいました。
スクラップ&ビルド
石神さんは検証が始まる前に、
今から言うことを全部真に受けなくてもいいですよ。
と断りをいれた上でお話をしてくれましたが、あまりにもクリティカルだったため、
一度作り上げたシステムを再度練り直す作業が必要になってくるかと思います。
こちらの食品ロスゲームはたかさんがメインでシステムを考えて作っているのですが、この部分を放置することはできないと思うので、いったりきたりを繰り返しながら、より良いゲームを世に届けたいと思います。
もう一つのゲームについて
さて、もう一つの人身売買に関してのゲームの方の進捗はというと、
まだ誰かにプレイしていただく段階にも至っておりません。
人身売買は気がつけば既に大きなネットワーク・組織・つながりがあり、世の中の闇の部分として暗躍しております。
気付いた人間にできることは小さなことから。
そんな部分をゲームとして表現していけたら良いなと思っております。
では、本日もお読みいただきありがとうございました。
※応募予定のコンペは第二回全日本ゲーミフィケーションコンペティションです。