前回の記事では、私が予備自衛官補に挑戦するきっかけや思いについて書きました。まだ読んでいない方はぜひご覧ください:予備自衛官補にかける思い。
今回は、その思いを胸に臨んだ、初めての5日間の訓練体験についてまとめていきたいと思います。
挑戦する前は不安もありましたが、実際に終えてみると、想像していたものとは少し違う景色が見えていました。
■ 5日間を通して感じたこと
率直に言えば、「きつい」というよりも、常に緊張が勝っていた5日間でした。
朝6時に起床し、夜22時半に就寝。
ほぼすべてが訓練や作業の時間です。拘束時間は長いですが、不思議と身体的な限界を感じるというより、「ちゃんとやらなければ」という気持ちが前面に出ていました。
全体の雰囲気は、緊張感と穏やかさが絶妙に共存していました。
教官たちは、要所ではピリッと締めます。
特に銃の取り扱いや儀式の場面では空気が一変します。
しかし、それ以外の時間ではアイスブレイクの小話を挟んだり、あえて笑いを入れたりして、場をほぐしてくれました。
小隊長がよく口にしていた言葉があります。
「笑顔と勇気」
笑顔でいること。
そして、新しいことに挑戦する勇気を持つこと。
予備自衛官に挑戦すること自体が勇気でした。
そして後に触れますが、取締役に立候補できたのも、この言葉があったからだと思っています。
また、班長(班ごとの教育係)たちが繰り返していた言葉があります。
「習うより?」
我々が「慣れろ!」と返す。
これが一種の定番になっていました。
まさにその通りで、細かな動作や号令は、頭で理解するよりも身体で覚える。
この5日間は、その繰り返しでした。
【1日目】緊張のスタート
初日は迷彩服ではなく、全員ジャージ姿でした。
それでも空気は張り詰めています。
「気をつけ」などの所作や整列、基本動作の繰り返しです。
一つひとつが「ちゃんとできているか」を常に意識する時間でした。
身体がきついというよりも、
「ここで失敗しないように」という緊張が支配していたのを覚えています。
夜には班ミーティングがありました。
班長から翌日のスケジュールが共有され、全員がメモを取りながら確認します。
この時間が、地味ですがとても大切でした。
まだぎこちない空気の中、少しずつ班としての輪郭ができ始めていました。
【2日目】慣れが生まれる
2日目になると、不思議と空気が変わります。
まだ緊張はありますが、
「昨日もやった」という経験が心を軽くしてくれます。
動作も少しスムーズになります。
「習うより慣れろ」という言葉が、少しずつ実感に変わっていきました。
前日に少し練習をした小さな式典もやりました。
予備自衛官補小隊全員で「訓練がんばるぞ!」という宣誓と、国歌君が代の斉唱です。
予備自衛官補小隊の旗を授与していただきました。
この瞬間、我々は同期の仲間になったのです。
オリンピックなどのスポーツの祭典で時々耳にする君が代ですが、改めて自分がしっかり発声して歌っていると、やっぱり感じ方が違っていました。
なんというか…エモかったです。
食事は班でまとまって取ります。
全員が席に着いたら「いただきます」。
目安は15分。
早く食べることも、ある意味訓練の一部なのかもしれません。
専門学校生の子が山盛りのご飯を食べていたのも印象的でした。
年齢差はありましたが、徐々に全員の距離が縮まっていきました。

【3日目】取締役に立候補
この日は、自分にとって大きな出来事がありました。
予備自衛官補小隊の「取締役」に立候補しました。
班ミーティングで「やりたい人いますか?」と聞かれ、即座に手を挙げました。
失敗できる環境なら、早い段階で挑戦した方がいい。
そう判断しました。
正直に言えば、緊張は相当なものでした。
号令をかける。
全体を見る。
すぐ横で班長がフォローしてくれますが、それでも責任の重さを感じます。
場数が足りない、と痛感しました。
それでもやってよかった。
小隊長の「勇気」という言葉が、背中を押してくれました。
元々、失うものがないならやってみよう!と考える気質でしたが、この場で立候補できたことはとても良かったと思います!
【4日目】一体感と、パンまつり
土日は食事が配布形式になります。
ヤマザキの惣菜パン。
春のパンまつりのシール付きです。
「これ集めたら皿もらえるやん」
そう思った私は、班員に声をかけてシールを集め始めました。
半分はウケ狙いです。
少しでも場が和めばいいと思いました。
でももう半分は、この訓練の記念として、何か形に残るものが欲しかったのだと思います。
この日は動き出しが遅くあまり集めることができなかったので、
付箋で「シール集めてます。ください!」と部屋のドアに掲示しました。
効果はテキメンです!翌日には右から左からシールが集まってきました。
39歳が学生たちと本気でパンまつりをやる。
でも、それが自然にできる空気ができていました。
夜はテスト対策で問題を出し合いました。
まるで学生時代に戻ったような感覚でした。
確実に、班として、そして別の班員達とも一緒にする会話も増え、まさしく一つのチームとして一体感が生まれていました。

【5日目】終わりと、これから
最終日は小テストがありました。
結果は――全員合格。
ほっとした空気が流れます。
この日は、すべての訓練を終えたJ日程の人たちと同じタイミングで基地を出ました。
小さな卒業式のようなものがあり、皆が凛々しい顔をしていました。
バスで一緒になった先輩に、こう言われました。
「一番きついのはA日程。精神的にね。」
教官の言葉と重なります。
これから先、10kmや25kmの行軍もあります。
革靴の中敷きは自分に合うものを用意した方がいい、とアドバイスももらいました。
挑戦は、まだ始まったばかりです。

■ まとめ
5日間は、あっという間でした。
緊張と笑い。
ピリッとした空気と、和やかな時間。
そのメリハリが、この訓練の印象を形作っています。
「習うより慣れろ」
「笑顔と勇気」
この言葉を胸に、次のB日程に向けて準備を続けたいと思います。
体を鍛えることも、継続していきます。
また次の訓練を終えたら、続きを書こうと思います。
参考リンク
- 防衛省 自衛官募集サイト(予備自衛官補)
予備自衛官補の募集案内や応募方法、訓練概要を見ることができます。 - 陸上自衛隊 予備自衛官補とは
予備自衛官補制度の概要、教育訓練内容、応募資格などの公式情報。 - 防衛省 自衛隊東京地方協力本部
地域ごとの応募情報、説明会日程、問い合わせ先などが載っています。 - 予備自衛官補募集案内(詳細)
募集要項PDFやQ&Aなど、より詳しい資料が見られます。
