こういうことありませんか?
こんにちは。吉田です。バブです。
私の大好きなボードゲームにカタンというゲームがあります。
ドイツ人のクラウス・トイバー氏が作ったボードゲームの金字塔と呼ばれることもある名作です!
運や戦略、交渉など様々な要素が含まれており、ルールを覚えてしまえば初心者も玄人も子どもも大人も一緒になって遊ぶことができるとても良いゲームなんですが…。

先日、カタンを遊び出して間もない友人からこんな話を聞きました。
ボイスチャットを繋いでオンラインカタンを遊んでいたところ、途中から雰囲気が険悪になり、最終的には口論のような形になってしまった。
そしてゲーム終了時には後味の悪さだけが残り、それ以来カタンと距離を置くようになってしまった。
……………。
わかります…!!
私はその話を聞いて、思わず「あるあるだなぁ」と思いました。
カタン経験が浅い方が陥りやすい、少し悲しい現象なんです。
改善方法を知らないまま「もう遊ばない」「嫌いになった」で終わってしまう人もいるのですが、それは本当にもったいないことです。もちろんカタン以外にも面白いゲームや遊びはたくさんあるので困ることはないと思うのですが、好きになりかけたカタンをできればもう一度好きになって欲しい!!
もしこれを読んでいるあなたが同じような体験をしたことがある方であれば、ぜひ最後まで読んでみてください!
これまでとは少し違った見え方になるかもしれません。
私がどういうふうに考えてカタンをプレイしているか、ほんの少しですがお伝えさせていただきます。
カタンの構造的な罠
カタンは 10点に到達したら即終了 というルールを持っています。
この「10点で終わる」仕組みが、不慣れな方がつまずく大きな原因になります。
それってどういうこと?10点を目指すゲームなのに?と思うのではないでしょうか。
つまりこういうことなんです。
誰かがリードを取って1位を走ると、必然的にそのプレイヤーを妨害する流れが生まれます。
- 1位のプレイヤーは「なんで俺ばっかり妨害されるんだ!」とストレスを感じる
- 2〜4位のプレイヤーは「勝たせないために妨害するしかない」という状況になり、妨害しながらも申し訳なさを覚える
この時、ある程度遊び慣れているプレイヤーがいると、重たくなっていく空気を笑いに変えたりするんですが、そもそもがボードゲームなので、こういう余計な気を使わずに遊ぶ人がほとんどですよね。そんな気を使いたくもないですし。
相手が見える状態で卓を囲んでいればまだしも、オンラインだとより相手の感情を汲み取るのが難しくなるので、こういうすれ違いも起こりやすくなるのかもしれません。
その結果、場の空気がギスギスしてしまい、最後は全員が苦しい思いを抱えたまま終わってしまう。
これこそが「カタンの罠」なのです。
遊び慣れている人なら「サイコロの出目次第で、そういう展開になることもあるゲームだから仕方ない」と割り切れますが、初心者にはその感覚がまだなく、つい感情的になってしまったり…。
だからこそ、「攻撃の矛先が集中する」ことが原因で後味の悪いカタン体験が生まれてしまうことがあります。
※ちなみに出目がすごくすごく偏ったりする場合は、熟練者であってもどうにもならない場合もあります。
回避のカギは「1位を明確にしない」
では、どうすればこの罠を回避できるのでしょうか。
答えはシンプルです。
「1位が誰か分からない状況」を作ること。
1位がはっきりしていると、その人ばかりが攻撃されます。
でも、もし1位がめまぐるしく入れ替わる展開なら?
攻撃対象は分散し、自然とバランスが保たれます。
理想は「9:9:9:9」のシーソーゲーム
私の経験上、一番盛り上がる展開は 9:9:9:9 の状態になることです。
- 全員に勝ち目がある
- 誰が勝ってもおかしくない
- 勝っても負けても「いい勝負だった」と満足できる
この状態に持ち込めると、その卓は最後まで大盛り上がりです。
勝った人はもちろん嬉しいですが、負けた人も「惜しかった!」と悔しさと充実感を同時に味わえます。
そして、この「シーソーゲーム」を体験したときこそ、カタンの本当の面白さを実感できるはずです。
シーソーゲームを生むために必要なこと
ではどうすればシーソーゲームを作れるのか。
そのカギは「途中経過をどうコントロールするか」にあります。
- 得点だけでなく、生産力の差を見る
- 発展カードを引いているかどうかを読む
- 交渉で周囲とどう関係を築くか
- プレイヤー同士の力関係を意識する
これらを考えながらゲームを進めると、突出しすぎるプレイヤーは自然に抑えられ、遅れているプレイヤーも巻き返す余地が生まれます。
実際、カタンをやり込んでいる上級者は「勝っていても目立ちすぎないように」立ち回ります。
逆に負けていても、他のプレイヤーと交渉したり、うまく資源を融通しあって追い上げてきます。
その結果、最終的に「全員が勝ち目を持ったシーソーゲーム」に収束していくのです。
クラウス・トイバー氏の言葉に込められた想い
ここで、カタンの作者、故クラウス・トイバー氏の言葉を紹介したいと思います。
「また明日あなたと遊びたいと思われるようなプレイをしましょう。」
私は、この言葉にすべてが込められていると感じています。
トイバー氏自身、カタンの「1位叩き」のようなネガティブポイントを認識していたのではないでしょうか。
だからこそ、この言葉を残し、
「勝ち負けよりも大事なのは、人間関係。そして遊び相手がいてこそゲームは成立するんだよ。」
と伝えたかったのだと思います。

カタンは発売から30年以上経った今も愛され続けています。
確かに新作ボードゲームと比べればルール的に余白がある部分もあるかもしれません。
(ルールブックを読んでも、この場合どうしたらいいの?が明確に記載されていない部分がある。)
でも、だからこそ プレイングやコミュニケーションでカバーできる余地がある のです。
むしろ、その「余白」があるからこそ、人との関わり方やコミュニケーション能力を磨くツールとして機能しているのだと思います。
カタン上級者と遊ぶことがあれば、一度そういう視点でプレイングを観察してみてください。
すごく丁寧に場をフォローしていることに気づくかもしれませんよ。
ちなみに話は脱線しますが、ボードゲームにおいてルールがわからない、あるいは判断できない場合は、卓内の合意があればある程度ルールを緩和(あるいは無視)してゲームプレイを進行しても良い。と考えています。
あくまでもゲームであって、大会などのシビアなシーンではなければ、みんなが良ければいいじゃん!と柔軟に考えて進めちゃいましょう。
あくまでもゲーム(手段)であって、その場に参加している全員が楽しい気持ちで交流できること(目的)が大切だと思っているからです。
まとめ
カタン初心者が陥る罠の一つは「1位叩き」で口論になったり、後味が悪くなったりすること。
でも、その罠を回避する方法はあります。
- 1位を明確にしないように立ち回る
- 全員が最後まで勝ち目を持つシーソーゲームを目指す
そして何より大切なのは、クラウス・トイバー氏が残した言葉のとおり、
「また明日も一緒に遊びたい」と思われるようなプレイをすること。
カタンのネガティブポイントは、実はポジティブにも転じる。
それこそが、このゲームが30年以上にわたって世界中で愛されてきた理由なのだと思います。
👉 「シーソーゲームを意識したカタン」を一緒に遊んでみたい方は、ぜひ声をかけてくださいね🎲
お読みいいただきありがとうございました!